「前向き(ポジティブ)な姿勢」という落とし穴

病を治すため、現状を良い方向へ変えるためには、前向きな姿勢(ポジティブシンキング)が重要な鍵となりますが、

ネガティブな感情を覆い隠した状態で前向きな自分という鎧を身につけてしまうと、かえって身動きがとれなくなり前に進めなくなってしまいます。

身体に悪影響を及ぼしかねないポジティブシンキングの落とし穴。

そのことについて本に書いてあったのでご紹介いたします。

「前向きな姿勢」という落とし穴

前向きな姿勢を勧める人には、それなりの立派な動機がある。しかし、この言葉の裏には深刻なマイナス面もある。

「元気を出して、楽観的になって、気分をよくして、頑張って。そうしたら、よくなるよ」。

 残念ながら、苦しみからの逃避は、かえって絶望を長引かせ、悪化させることさえある。もちろん、患者ができるだけ楽で苦痛の少ない状態を保つべきではあるが、いちばんよいのは、患者が今ある不快感、恐怖、そして悲しみを、可能なときに認識することである。こうした感覚や感情は、望めば消えるものではなく、その人が何を求めているかを示す貴重なサインなのである。私たちは愛する者に、たとえそのつもりはなくとも、ほんとうの感情を隠しなさいなどと言ってはならない。私たちは愛する者が悲しみたいなら悲しませてあげるべきである。~中略~

 前向きな姿勢というメッセージは、ネガティブな感情を抑えることを合理化する根拠ともなりうるのだ。タイプCの人たちの心はすでに「すべき」という言葉で脅されていることを忘れてはならない。子どものころから、すべての状況において、どのように感じるべきか、そしてどのように行動すべきか、言われつづけてきたのだから。

 がん患者の家族や友人が愛する者にできる最良のことは、本人が自分自身になれる自由を与えることである。たとえ、患者が悲しくても、腹を立てていても、うれしくても、有頂天になっていても、虚ろでも、混乱していても、いらだっていても、怯えていても、あるいはただ落ち込んでいるだけであっても。そうしたサポートを得たとき、自然な悲しみのプロセスは自然と解消するだろう。そして、最高の環境で、前に立ちはだかる闘いに向けて、エネルギーと楽観思考をかきたてることができるのである。

がん性格―タイプC症候群より

悲しみや怒りといったネガティブな感情を感じることは体に悪いのではなく、

表に出さずに隠してしまうことが体に悪い

のです。

隠れているネガティブな感情を溜め込んだり無視しないで、今ある感情、感覚に気づく。

自分の内側からのメッセージに耳を傾け、感情をしっかりと感じとる。ありのままの自分と向き合い、すべてを受け入れることで、ネガティブなエネルギーは解放されていくのです。解放が進むと自然とポジティブに考えられる自分になっていることに気づくことでしょう。まずは泥があることを認める、泥をすくい取って外に捨てていく、きれいなお水(=生命エネルギー)を注ぐ。これを繰り返していくことで、確実にコップの中はきれいになっていきます。そしてエネルギーに満ち溢れたキラキラ輝くお水があふれ出るようになります。

ドロドロの泥水で満たされているコップの中にきれいなお水をいくら注いでも、コップの中の水はなかなかきれいになりません。

少し立ち止まって、「今ある自分の感情・感覚」を見つめなおしてみてください。
必ず前に進むための突破口が見つかるはずです。

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